なぜIT系は長時間労働になるのか

あらゆる社会の仕組みやサービスがIT化されていることを背景に、IT業界はトレンド性かつ安定性があるとして、就職や転職を希望する人が増えています。
その一方で、長時間労働や深夜残業・休日出勤などのネガティブ面もクローズアップされることがあります。技術者として一人前になるまでには、時間や苦労が必要なのは分かりますが、ベテラン社員になっても長時間労働をする理由は何なのでしょうか。
長時間労働が起こる理由の1つとして、多数のメンバーが開発に参加する点があります。メンバーが多いほど作業が分散化されて、時間短縮出来るのではないかと思えます。
しかし参加人数が増えるに従って、お互いの意識のズレが生じやすくなるデメリットがあります。メンバーと意識が合っていないと、開発するシステムが顧客の希望とは違うものになってしまいます。時間とお金を掛けて作っても、バグや不具合になるのです。
リリースまでにバグは出来るだけ潰したいところです。システム開発では、バグを減らすため、お互いの意識合わせを目的に、ミーティングを定期的に行うのが一般的です。1回のミーティングは1時間から2時間掛かります。ミーティングに向けて、内部でさらに細かい打ち合わせをしたり資料を作ったりします。そのため、日中の勤務時間のほとんどは、ミーティングに向けた準備に使うこともしばしば。その結果、自分の作業は残業時間にしかできない、という悪循環になるのです。
こういった悪循環を避けるため、ミーティングの議題をこまめに切ったり、参加メンバーを限定したりして工夫するグループもあります。